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死ねない (完結作品)

作: ジョニー777906

死ねない。

死ぬ理由はないが、生きる理由もない
生きたいわけでもなく、死にたいわけでもない
希望はないが、絶望はある

どちらかといえば死に魅力を感じるから、たまに自殺をしようとする
人に見られながらではなく、こっそり死にたい

今一人暮らしだ
たまに試みるが、そういう時に限って誰かが家を訪ねてくる

このあいだガス自殺を図ったところ、丁度ガス会社の人が来た
何も知らないガス会社の人は、ガス漏れを感知してきちんとガスを止めて帰った

また別の日には首吊りをしようとした
すると、隣の部屋の夫婦が喧嘩をしてる声が聞こえた
すぐ奥さんが俺の家のドアを叩いて助けを求めたのでとりあえず家に入れてあげた

よく見れば美人さんだったので、話をたくさん聞いてあげた
心をひらいたのか笑顔を取り戻したところで俺は死のうとしてたことを思い出した
死ぬ邪魔をされたのもシャクだし、ここまでしてただ帰すのは勿体無いのでこのまま襲ってみようと思った
どうせ死ぬしと思いながら思い切って押し倒すと案外受け入れられ、なにごともなかったかのようにことを終え、旦那さんにも謝られ、隣ご夫婦と仲良くなったのでそっと引っ越した

そのまた別の日は、飛び降り自殺を図った
目の前に大きな木があるので邪魔だなと考えてたら、その木の上にラジコンがぶつかった
何かと思ったら下に子供達が下にいて取ってと言われた

そのままうまい具合に落ちればいいなと思い取ってあげようとすると、ここに来て俺の木登りの才能が開花し、華麗にラジコンを取り子供達に渡してあげた


死ねない


もう仕事をやめて餓死しようと考えた
仕事を辞め、全財産、退職金すら当たるはずのない宝くじに全額つぎ込んでやった


6億と5千万当たってしまった


まあ死んだ時親に残してやれるし、貯金しようと思って積み立てに入れておいた

しかし、餓死するにもお金があると全然と死ねない
むしろ贅沢になってしまった


逆に考えた


いっそ死ぬまでにしたいことを全部してやろうと思った
まずは街の可愛い女の子にかたっぱしから声をかけてやろう
振られても喧嘩になっても本望だ


声をかけた
一発で釣れてしまった
ホテルへ直行してみた
素敵な夜を過ごしてしまった
勢いで告白してみた

やってしまった
告白したら死にづらいじゃないか

そう思ってたら彼女は小さく頷いていた


彼女が出来た


次は食べたいものを食べまくろう
俺は肉が好きだから、体を壊すほど食べれば死んでも本望だ

超高級レストランへ、彼女を連れて行ってみた
死ぬほど美味しかった
彼女も凄く喜んでた
美味しいって、ありがとうって何度も言われた
幸せだった


死ねない


幸せだった
夢のようだ
でも夢なんて今だけだ
どれだけ大事にしても、いつかは彼女に振られるだろう、そんなもんだろう
もっと色々したいことしまくろう


気がつけばそのまま5年の月日が経っていた


やることも無くなってきたから、なんか仕事をしよう

学歴はたいしてないけど大手にしてみよう
そして凹めばそのまま死のう
その方が勢いがあっていい
年も25越えたし、いい頃合いだ

大手の電機メーカーの営業へ面接行ってみた


即採用された


不思議なもんだ、やりたいことがないとうまく行く
受かったけど、仕事もしんどそうだし、やめたくなったら即やめよう


仕事が楽しい


仕事してから1年が経った
周りの人達も優しいし、とてもやりがいがある
そのうえ成績もあがってきた
昇進も出来なくないかもしれない


彼女と結婚したいと思い始めた


こんなに愛してここで振られれば、いっそ死ねるかもしれないし、今からプロポーズしてみよう
稼いだお金で指輪を買った


泣きながら抱きしめられた
ずっと一緒にいようねって言われた


嬉しかった


初めて頑張らなくちゃと思った


結婚して1年が過ぎたころ、やっと昇進が決まった
それと同時に、嫁が妊娠していた


一年後子供が生まれた


幸せの絶頂だ
今まで白黒のようだった世界に初めて色がついたように明るくなっていった

子供が3歳になった




嫁が癌になった




ここまで幸せだったのに、いきなり崩れ落ちた

生きたいと思った矢先これだ
俺は希望をもっちゃいけないのか

苦しみにひしがれた

息子の弁当を作り、仕事へ向かう
仕事が終わると保育園に息子を迎えに行き、家事を済ませ、嫁の病院へ向かい、また弁当を作る日課が続く

死にたいと思ってきた

思えば死にたいと思ってここまで来たんだ
俺一人が死んでもなんとかなるだろう
子供は実家に預ければ
3歳ならすぐに忘れるだろう


嫁が死ぬ姿を見るくらいなら


もういいよ、死のう






思った矢先、嫁からメールがきた




「今までいっぱい幸せにしてくれて本当にありがとう。
あなたと出会えてよかった

あなたは死んじゃダメだよ」




こんなこと言われたら


死ねない。



生きるしかない
夢も希望もないけど、子供のために、嫁のために生きるしかない


それから生きるしかないと考え始めた


誰よりも息子を愛して、誰よりも仕事を頑張って、誰よりも嫁に今日あった事を話した



すると嫁の病気は治り始めた



子供もすくすく育ってきた

俺は小さな幸せで笑えるようになっていた



嫁が完治した



嬉しすぎて泣き崩れた

嫁に慰められた
好きだということを何度も言った
泣きながら嬉しいと言われた
嬉しかった



まだまだ死ねないと思った

※この小説(ノベル)"死ねない"の著作権はジョニー777906さんに属します。

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