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俺に天使が舞い降りて (完結作品)

作: 蛙/27

俺に天使が舞い降りて

 ある日家に帰ると、俺の部屋のベッドに女が座っていた。
・・・か、可愛い。目は大きめの二重、鼻はすっとしていて口は小さめ。「う」の形をしていて小動物を想像させるようなヤツだった。ヤベーじゃん、ドストライクじゃん、自分の心臓の音がどんどん速くなっていくのが分かる。こんな感情は初めてだ。これが一目惚れなのだろうか?これが恋なのだろうか・・・?
おっといけない、いつまで一人で盛り上がってるんだ!?やっと少しだけ冷静になった俺はソイツに話しかけてみることにした。

「たっ・・・ただいま。」
えー、出てきた言葉はそれかよw
「おかえりなさいですっ!・・・先輩っ!!」
声も可愛かった。「鈴のような声」って、多分これなんだなーって思った。

それより大事なこと。コイツ何?さっきからなんか変って思ったけど、コイツ影がない。ってことは幽霊か。・・・幽霊ッ!?まぁいっか。 いや、よくねーし。聞いてみるかっ!

「君ってその・・・幽霊?いや、どう見ても俺の家族じゃないし、影ないよねーってか?」
「はい。幽霊です。」

そうなんだー。俺の部屋に入った最初の女は幽霊か・・・。トホホ・・・。思い描いた青春とは少し、いや、かなり違うみたいだ。

「てか、名前は?」
「サキです!先輩は?」
「俺は翔太。佐々木翔太。よろしく。」
「翔太先輩でいいですよね?よろしくお願いします!」

そう言ってソイツはベッドからぴょんと起きあがって、「気を付け」をして手を差し出した。距離が一気に縮まったからドキっとした。サキと名乗ったその少女からはバニラの甘い香りがした。
「翔太先輩、いいニオイがします!ふわふわしてるけどどこか落ち着くような・・・」
あのね、そういうのは口に出さないもんだよ。普通。変わったヤツだな。
てか、ちっちゃい。超ちっちゃい。150?くらいかな。俺と25?は差があるな☆

「とりあえず、座ってよ。そこに。」
サキと話そう。話さないと行けないような気がするし・・・笑
***
ベッドの上に俺の学ランを着たサキ。その左に俺。彼女は学ランが着てみたかったらしい。この変人め。
「サキ・・・でいいよね?」
「はい!翔太先輩!」
「名前+先輩で呼ぶヤツ初めてみた。普通、名字+先輩だし。」
「えぇ〜っ!ダメですか?」
「別にいいけど。親しい感じするし。」
「ですよね〜♪」
なんとなくサキの性格とかもつかめた気がするところで本題に行こうか・・・
「なぁ、サキ?」
「なんですか?」
「そもそもなんでお前、ここにいるの?しかも、なんで俺のこと先輩呼びなの?」
サキは少しだけ黙って考えてから、小さな口を開いた。
「少し長くなるかもしれないんですけど・・・それは・・・」
***
サキの話をまとめるとこんな感じだった。
サキは昨日まで小学6年生だったらしい。しかも、俺が通っていた北川第一小の隣の北川第二小だった。昨日までというのは少しは想像がついていたけれど下校中に信号無視をしたトラックにひかれて亡くなったそうだ。それで俺のことを先輩と呼ぶ理由は、今度の4月(・・・2ヶ月後か。)に俺が通っている私立の難関校北川学園に入学予定だったそう。本当に気の毒だ。それで神様も俺と同様、気の毒だと思ったらしく彼女に彼女の人生を続けるチャンスをあげたらしい。そのチャンスというのが・・・
・とある先輩のところへ(俺か・・・。)入学式の前日まで住まなければいけない
                     ↓
・そこでクリアしなければいけないミッションをクリアする。(俺にはナイショらしい。彼女自身がナイショにしておきたいらしい。)
                     ↓
・ミッションをクリアしたら彼女の人生の続きが待っているめでたしめでたし。

簡単に言うとこんな感じだが俺にとっても彼女にとってもショックだったのは神様とかいうヤツが言っていたらしい注意事項だった。
注意事項
・サキは幽霊のため俺にしか見えない。
・また、サキの声も俺にしか聞こえない。(早めに言ってほしかった笑)
・もし、ミッションをクリアできなかったらそのまま天国へ・・・
・もし、ミッションをクリアしても今の記憶は全て消えてしまう。それはサキの記憶も俺の記憶もらしい。
・サキと俺の記憶が残っている可能性は0.1%

最初の3つは納得できたが残りの2つが心にグサっときた。
***
サキが話し終わる頃には時計は6時半を回っていた。俺は風呂に入ってくると言って部屋を出た。風呂から上がって部屋をこっそりのぞくとサキは寝ていた。多分自分が死んでしまってからたくさんのことが一気に起こって疲れたのだろう。一応幽霊とはいえ小6のガキだもんなー。・・・あれ、サキの右手になんか書いてある。俺はそっと部屋には行って起こさないように電気を付けた。「みっしょん:先ぱいのやる気を出させる・学年まつテストで20番台にする」・・・。ゴメン、サキ。ミッション分かっちゃったよ。俺、頑張るから。それでお前を入学させるから。記憶なんて残っていなくてもいい。ただお前に幸せになってほしい。
俺は初めてそんなことを思った。愛おしい存在を見つけた。
サキが寝ている間に夕飯食おっと。

***

8時か・・・。宿題しなきゃ。そうつぶやいて部屋の電気を付けた。
「ふぁぁっ・・・ぁあっ!?すみません!寝ていました!」
「いや、べつにいいけど。」
すみません!なのはこっちかも・・・。起こしてしまった。
デスクの電気を付けて数学の教科書とノートを取り出した。
サキはというとどこから取り出したのか難しそうな数学の本を読んでいた。きっとかなりの数学ガールなのだろう。 見とれている場合ではない。俺にはやるべき事があるじゃないか!!
 気がつくともう12時だ。いつもならゲームをして11時くらいからいつも焦って宿題だけして寝るのに・・・宿題は3時間前に終わった。俺ってそんな能力があったんだ・・・☆ テスト勉強を3時間もぶっ通しでしたのは初めてだった。これってもしかしてサキの力?そう思ってサキの方を見た。サキは5ミリ方眼ノートに何か書き込んでいる。「あっ・・」と小さく声を出して俺に気がついた。
「な、何か・・・?」
「いや、いつまで起きとくのかなー?って思って・・・。」
「うーん、翔太先輩が寝るまで・・・です!」
なるほど。サキは自分で勉強もしながらずっと俺を見ていてくれていたのか。
「俺はもう寝ようかな。結構終わったし。」
「それじゃ、私も寝ます。」
寝る前のゲームも今日はしなかった。
そのままベッドに潜り込んだ。サキはどこで寝るのだろう。良かったら隣で・・・
「サキー、こっちおいで。」
「え・・?」
・・・さすがに幽霊でもダメか。と思ったとき
「いいんですか?やったぁ!!」
サキがうれしそうにやってきた。マジか。
「おやすみなさ〜い」
「おやすみ。」
俺はなんてついているんだろう。勉強もうまくいくし隣にいるのは幽霊だけどビックリするくらい可愛いし・・・
そんなことを思いながらスヤスヤと寝息を立てている小さなサキの頭をなでた。
あ、電気消さないと。俺はそっと起きて電気を消しにいった。 あれ?サキ、パジャマだったっけ?(笑)謎多いな〜、このガキ。
あー、寝よ寝よ。おやすみー。

***

翌朝。俺はサキに起こされた。
「せんぱ〜いっ!!翔太先輩っ!!起きてくださいっ!!何時だと思ってるんですか?」
・・・まさかの・・・!?

「・・・5時半。何時だと思ってるんですか?って、そのセリフそのまま返すよ。ばか。」
初めてサキにキレてしまった。どうしようか。
「・・・あのぉ、授業が始まる3時間前に起きておかないと頭は働かないんですよ!!5年生のときの担任の先生がおっしゃっていました!いつも何時に起きるんですか?」
「7時半」
「授業は?」

「大体寝てるー」
「ダメダメじゃないですか!」
サキはそう叫ぶ
「寒っ・・・!!考えろ!お前っ!!」
「考えた結果がこれです。ホラ、制服着てください♪今日は国語の小テストじゃなかったですか?」
と、毛布をはがす。
・・・やば。・・・?なんで知ってんだよ?
まあ、母さんに起こされるよりかは100倍くらいイイか。制服着替えよう。俺は顔を洗って制服に着替えた。そして朝ご飯を食べた。さすがに母さんもビックリしていた。
「翔太、どうしたの?珍しいていうか、見たことないんだけど。朝ご飯食べるなんて。」
「え、いや、別に。」
↑定番のセリフ。思春期まっただ中の諸君、コレ、使える言葉だよ☆なんて・・・

部屋に戻って漢字のドリルを出そうとした。ん?漢字のドリルは?
「翔太先輩、私今日のテスト、合格しますよ!」
犯人はサキだった。しかも、この時間で全て覚えた?焦らせるなよ。あ、まだたくさん時間があるじゃん。なんてったって今日は、いや、今日からは5時半起きなんだから。早起きって余裕もてるもんなんだ。早起きバンザイ。なんて俺は心の中で叫んだ。
ルーズリーフと筆箱、今日のテストは97ページか・・・

***

「先輩、後10分で7時半です!」
お、イイ感じじゃん!!俺はメインバッグにドリルと筆箱を詰め込んだ。
「行ってくるから。いい子でお留守番しとけよ。」
兄貴っぽく言ってみた。なんて反応するかな・・・
「あ、待ってください!・・・よし、OKです!行きましょう!」
・・・!?
「お前も行くの?」
「当たり前じゃないですか!ほら、時間!!」
「あっ、・・・母さん行ってきます!!」
「あら、気を付けてね〜」

***

自転車の荷台にはサキが乗っている。俺にギュッと捕まって映画のワンシーンのようだった。サキのチェックのスカートがヒラヒラと揺れる。俺は世界でいちばん幸せかも・・・と思った。バカみたいだけど、幸せ。昨日から俺の部屋に幽霊が住み始めた。これも全て2人だけの秘密。このままずっと続けばいいのに。いや、それは絶対に許されない。サキが望んでいる幸せは2ヶ月後北川学園に入学することだ。俺のいちばんの幸せはサキが幸せになることじゃないか。二つの感情が複雑に絡んでなんともいえないような気持ちになる。今日の風は特に冷たいように感じられた。

***

帰宅。
今日学校で過ごしてクラスメイトに言われたこと、俺が思ったこと。
・「しょーたぁ、なんか今日いいぞっ!!」
・「明るくなった・・・?」
→よっしゃぁッ!!サンキュー、サキ。最高。これからも絶対続けていこう。この生活!!

***

そんな感じで俺の生活はどんどんイイ方向に進んでいった。勉強も部活も。中学生活ってこんなに充実したもんなんだって超ビックリしたくらいだし。この調子で行けば学年末テスト、トップ20入りも夢じゃない。

***

そして、とうとうテストがやってきた。サキも笑顔で送ってくれた。
「先輩なら大丈夫ですよ〜!!」
ありがとう。いってくるよ。
ゴールはすぐそこだ。 色んな意味で。

***

よっしゃーーーーーーッ!!!!!19番キターーーーーッ!!!!!
そう、とうとう獲ってしまったのだ。(?)成績表が返ってきた瞬間、俺は倒れそうになった。サキに報告しなきゃ。
「サキー、見て見てコレっ!!」
「うわぁ・・・良かったですねっ!!やった〜!!」
サキは自分のことのように喜んでくれた。まぁ、実際そうなんだけれど。
それから春休みまでの時間は一気に過ぎていった。俺は出来るだけサキとたくさん思い出を作った。自転車に乗せてたくさんの場所に行った。
そして、庭の桜が半分くらい咲いた日、サキはいなくなってしまった。
「先輩、そろそろいかなくちゃ。」
「そうだね・・・」
「ほら、明日会える!!会えるじゃないですか!!」
そうだね。確かに会える。お互い、お互いのことの記憶をなくしてね。
サキの姿がどんどん薄くなっていく。
「先輩、佐々木翔太先輩。少しの間だったけれど、ありがとうございました。 私、先輩を見ているとなんか、胸がきゅんってするんです。こんな感情初めてです。私はきっと先輩に恋をしました。初恋がこんなに悲しいものなんて・・・」
サキはぽろぽろと涙を流した。
俺はサキの頭に手を置きながら
「俺の初恋は幽霊かよ。」
と言った。ホントはそんなことが言いたいんじゃない。でも、何から話せばいいのか、どうやって話せばいいのかが分からなかった。 そして・・・
「さようなら・・・」
そう言って彼女は消えた。

***

ピピピッ・・・ピピピッ・・・
・・・ぽち。
5時半に鳴った目覚まし時計を止めて制服に着替える。朝食を食べて部屋に戻る。今日は入学式かー。課題もないし、英語の予習でもするか。
おっと、時間だ。
「いってきまーす!!」
と言ってダッシュで自転車に乗る。桜も満開だ。
***
「・・・平成××年○月○日 校長安田正」
長い校長の話もやっと終わった。あだ名はザビエル。由来は言うまでもない。
入学式が終わったので終礼が終わると今日は解散だ。下足室を出て、俺は駐輪場の桜を見に行った。するとそこには小さな女子生徒がいた。制服がブカブカだからきっと1年生だ。
「桜、きれいだよね。北学の桜はこの町で一番きれいなんだって。」
俺はそう話しかけた。女子生徒はくるんと振り返って大きな瞳でじっと俺を見つめた。
振り返ったときバニラの甘い香りがした。
「へぇ・・・知りませんでした!」
「そっか。名前は?」
「成海サキです。」

その瞬間、頭に電気が流れるような衝撃が走った。バニラの甘い香り、二重の大きい目、小さい口と外国人を想像させるような鼻。

彼女はサキだった。確かに、サキだった。

「先輩は?」
「・・・佐々木、翔太。」
震える唇から出た声は俺が今感じている感情の全てが込められていた。
彼女ははっと息をのみ大きい目をもっと大きくして驚いている。

「先輩・・・会いたかったです・・・あのときからずっと、いつのまにか先輩のことが好きになっていて・・・伝えられなくて・・・っ・・・!!」
俺はゆっくりと手を伸ばし、サキの頬に触れながらキスをした。

儚げな桃色の花びらは二人を包むように美しく舞っていた。
***The End***

※この小説(ノベル)"俺に天使が舞い降りて"の著作権は蛙/27さんに属します。

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この小説(ノベル)へのコメント (1件)

蛙/27

'15年2月3日 14:56

胸キュンしてくださると非常に嬉しいです。。あと2ヶ月もすれば高校生になる蛙/27です☆

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