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月と星のはなし (完結作品)

作: 浜田

 
 キンキン
 鉄琴みたいな音がするぞ
 なるほど 鉄板みたいな冬空だなぁ

 しんちゅう色の月が、灰色の雲をうっすらすかしてかがやき、
 しんしん、ふんふん歌う。
 
 あぁ いい声だ
 
 時折、黒い瞳をぱちぱちまたたかせて、雲をはらす。
 
 あっ あっ 今 ツバを吐いた 月がツバを吐いたぞ
 ふん 流れ星か 白いおっぽだったぞ 
 へぇ いけないやつだ 
 なンなら それをひとつ 俺にくれないか
 ここで待ってるから ひとつこっちにおとしちゃくれないか 

 両手ですきまだらけのおわんをつくり、きしむベランダから身を乗り出して、それを月や星のきらめきに伸ばす。

 俺はアパートの二階に住ンでいる。一階の部屋は庭つきだけれど、二階のほうが空に近い。ご近所の気分だ。手を伸ばせば金星だってつまめそうだ。
 毎晩一畳ほどのベランダに仰向けに寝転ンで夜空をながめている。や、さっきみたいに月や星に話しかける。望遠鏡がなくてもとおいとおい星は見える、月がもやす夜の虹は見える。いきものの気配が、視線がする。星は小声でささやくし、星どうしでおしゃべりをする、それがきらきらするということ。月は青いほのおでもえていて、黒い鉄板を、なめらかなあい色にこがしている。俺も夜空を歩いてそこまで行き、たくさんの星とおしゃべりをして、月の歌に耳をすまし、瞳を見つめてこのからだを焼きつくされたい。

 昼の明るい空でも月は見えるだろう。息を吹きかけたら壊れそうなほどうすいうすい、白いガラス玉が水色を映して海に浮かンでる。 
 雲はすましているが、大きな大きな気配が、そこにいる。
 
 あれ 星はどこだ どこだってンだ
 帰っちまったのか きっと宇宙だ
 星のウチは宇宙にあるンだろうな 宇宙だ 
 ふん 真っ暗じゃないか
 いつか俺のウチに泊められたなら いいなぁ
 そしたら そりゃ にぎやかだろうなぁ
 さみしいな 
 そうは思はないか ね アンタよ

 月はそこにいるが、ガラス玉の中でただ、ただ眠っている。
寝息が俺と雲を吹き飛ばす。

 わぁ いけないやつだ  
  
 

※この小説(ノベル)"月と星のはなし"の著作権は浜田さんに属します。

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