小説(ノベル)
[広告]
第80話 第3接触 その1
8月に入ってすぐの日曜日、その日はいつきの家に雪乃が遊びに来ていた。何やらオシャレなカバンを小脇に抱えて。いつきはその荷物の事については全く触れずに、まずはこの間の旅行の感想から話し始める。
「楽しかったね、旅行」
「うん、うちのお母さんもよろしく言っといてって言ってた」
仲良し2人の会話はそんな感じで穏やかに始まった。いい雰囲気だったのもあって、いつきはニコニコ笑顔を崩さずに雪乃の顔を見る。
「ねえ、またどっか遊びに行こっか?」
「いいけど、ちゃんと課題はやってる?」
「えっ?」
遊びの話を進めたかったのに、ここで急に話の流れが変わっていつきは困惑する。そんな彼女を置き去りに雪乃は話を続けた。
「もう8月に入ったけど、油断してると夏休みなんて終わるのあっと言う間だよ」
「な、何言ってるの?私だってゆきのんと同じだけの数の夏休みを体験してるんだよ?そのくらいちゃんと分かってるって」
「急に饒舌になるし」
焦り始めたいつきの話しぶりを見て雪乃は冷静に突っ込んだ。話を誤魔化そうとしている雰囲気を感じて、それまでベッドの上で寝転がっていたヴェルノがここでむくりと起き上がる。
※この小説(ノベル)"魔法少女いつき"の著作権はにゃべ♪さんに属します。
[広告]
この小説(ノベル)のURLとリンクタグ
この小説(ノベル)のURL: | |
---|---|
この小説(ノベル)のリンクタグ: |