小説(ノベル)
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「いいよ。ちゃんとあの子を見てあげてね」
自室に戻ったいつきはエアコンのスイッチを入れ設定温度を25℃まで下げる。そうして力任せに乱暴に椅子に座った。
「もー、つまなんーい」
「しかしあの態度はないだろ、お母さんに対して」
「えぇ?べるの人の事言える?家出してきた分際で?」
「う……」
彼女のその鋭い切れ味のツッコミにヴェルノは全く反論出来なかった。それからしばらく沈黙の時間が続き、いつきはくるっと椅子を回し快適になった室内で寛ぐ彼に向き合った。
「ねぇ、そろそろいいじゃん、家出の理由を教えてよ」
その好奇心に満ちた瞳の圧にもう黙っているのも無理だと感じたヴェルノは観念する。大きく深呼吸をすると、ぽつりぽつりと心の奥に溜め込んだものを吐き出し始めた。
「……居場所がなくなったんだよ」
「え?どゆ事?」
いきなり核心から入った事で彼女は困惑する。ヴェルノはそんないつきの混乱ぶりを全く気にせずに話を続けた。
「前から言ってるけど僕の能力はレベル3、普通なんだ」
「うん知ってる」
「後で産まれた血縁者が僕より優秀だったらどうする?」
※この小説(ノベル)"魔法少女いつき"の著作権はにゃべ♪さんに属します。
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