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再会した僕たちは (執筆中)

作:ヒイロ / カテゴリ:青春/友情 / 投稿日:'15年4月10日 22:32
ページ数:3ページ / 表示回数:回 / 総合評価:0 / コメント:0件

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変わらないね

小田急線町田駅の改札前。
神奈川から東京にちょっと出ただけでも人の多さがまるで違う。この駅から横浜線に乗り換えられるのも一つの要因だが、駅を中心にショッピングモールや飲食店、様々な施設が連なっているため、ここまで人が多いことにも容易にうなずける。買い物に関してはなんでも揃う街――それが俺のこの街への印象である。
それにしてもこの人ごみだ。普段目にしないような数の人たちが改札前をごちゃごちゃと行き交っている。今日は休日なのでなおさらだろう。傍から様子を見ているだけでなんとなく気分が悪くなった。これが人ごみに酔うということなのだろうか。
駅の改札前が待ち合わせ場所だった。
約束の時間に予定より早く来てしまったので、俺は改札を抜けたすぐそばの柱に寄り掛かり待つことにする。

「よっ」
手持ち無沙汰に、携帯をいじりながら時間をつぶしていた俺に声を掛けてきたのは、どこか見覚えのある女の子だった。
彼女が一体誰なのか、認識するのに少しばかりの時間を要したが、「コウだよね?」と向こうの方から確認してきたので、その一言で相手が何者なのか百パーセント確定した。
「私のこと、分かる?」
続けて彼女が訊ねてきたので、俺はうん、と首を縦に振った。
「ナル……だよね?」
「よかったー。気付いてくれて」
昔と変わらないその明るい口調と気さくな印象は、数年間顔を合わせていなかったという事実を微塵も感じさせなかった。
「久しぶりだね」そう言ってナルは俺の肩をぽんと叩く。
「ひ、ひさしぶり……」
彼女を目の前にして、緊張してしまっていることが自分でもあからさまに分かって、恥ずかしくなった。
小学校卒業から、中学そして高校と会っていないわけだから――およそ五、六年ぶりだろうか。当時は髪も短く、明るく活発で、どことなく少年っぽささえあったナルは、今や髪を肩の高さよりも長く下ろし、誰がどこから見ても女の子で、なんというか色気があるというか大人っぽくなっていた。さっき声を掛けられて、すぐに誰だか気付かなかったのはそのせいだ。
内心どぎまぎしている俺にナルはいきなりずいと体を寄せてきて、「背、伸びたね」と言ってきた。不意にどきっとして、照れくささを誤魔化すように「そう?」とそっけない返事をする。並んでみると彼女と俺の背丈には拳一つくらいの差が出来ている。
「うん。なんか悔しいな、小学生の頃は身長私の方が勝ってたのに」
「そりゃあこれでも一応男ですから……まあ、男の中では小さい方だけど」
「何センチなの?」
「一七〇……ちょっと過ぎるくらいかな」身長に関しては少し気にしているところもあったので、曖昧にぼやかした言い方をする。
「ふーん」
「せめてもう三、四センチくらい欲しいんだけどね」
「確かに、男としては最低でも一七五は欲しいねぇ」俺の頭上の方を見ながら意地悪気に笑ってみせた。くそう。
「で、でもまだまだ伸びてる途中だからさ」
「さすがに成長期終わったでしょ」きっぱりと言い捨てられた。
「いや、大学生でもギリギリいけるって」
「強がっちゃって」
でも、まあ――彼女は続けて言う。
「ほんと、変わってないね。変わったのは身長が伸びたくらいかな。背以外は全然変わってない」
「なんだよ、それ」
「一目でわかったよ。『あ、コウだ』って」
「うーん、まぁ見た目はあまり昔と変わってないかも。髪型とか色とか特に奇抜なやつに変えたこともなかったし」
今の自分と、小さい頃の写真の自分の姿を見比べてみたとしても、幼さ以外では大きな違いを見つける方が逆に難しいかもしれない。
「そっちは――」
俺はナルをじっと見る。すると彼女が見つめ返してきたので、慌てて咄嗟に目をそらした。
「一瞬誰だか分からなかった」
「だと思った。一瞬戸惑ってたもんね?酷いなぁ、すぐに気付いてくれないなんて」
「ぐっ」と言葉を詰まらせる俺に、ナルは「えへへへー」と笑った。
その笑い方。見た目こそ大人っぽさを帯びて、良い意味で変わっていたけれど、明るい性格とその変な笑い方は昔とちっとも変わっていなかった。しばらく見ない間に、全く別の世界の人間のようになっていたらどうしようか、と少しは身構えもしたが、杞憂だったと気付き俺はふうと息をついた。

※この小説(ノベル)"再会した僕たちは"の著作権はヒイロさんに属します。

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