携帯版 歌詞GET

みんなの歌詞GET   ようこそ ゲスト さん   メンバー登録(無料)   ログイン  

投稿した小説(ノベル)にコメントがもらえるコミュニティ

小説(ノベル)

赤い華 (完結作品)

作:美咲 / カテゴリ:ファンタジー / 投稿日:'09年10月11日 17:16
ページ数:9ページ / 表示回数:1178回 / 総合評価:0 / コメント:2件

[広告]

5 生きた華

 どうして逃げたんだろう?
 どうしてリリと一緒に死のうとしなかったのだろう?
 森についてすぐ、そう思った。
 二十になっていた俺には死ぬことができた。
『だったら、あのままあそこに二人で・・・・・・』
 形はあるが、どの華が誰かなんて、もう今更、戻ってわかるはずもなかった。
「何で選ぶんだよ!」
 夜空に向けて、俺は叫んだ。
『生きたいやつを・・・何で・・・・・・!』
 そう思うと、涙が出た。
「誰か居ないのか!?」
 誰か気ずいてくれ。そう思い思い切り叫んだ。
「誰か!」

 いつの間にか眠っていたのだろう。
 俺は癖で、リリを探した。
 でも、いるわけもない。
 すぐ気付き、俯いた。
「・・・あ」
 胸の上で揺れる小さな赤い花びら。
『リリ?』
 そう感じた瞬間、リリが笑った。そう感じた。
 風が吹いて宙に浮き、華になった花びら。その華に触れようと手を伸ばすけど、寸前でふわりと飛んだ。掴もうとするが、するりと飛び上がり、ゆっくりしたスピードでどこかを目指し飛んでいく。
「来いってことか?」
 ピタッと動きを止め、また赤い華は飛び始めた。
 辿り着いた先には大きな木があった。その大樹には、たくさん実がついていた。
『こんなに・・・』
 母が死んでから、不思議と腹はすかず、食べず生きられたから、どうでもいいやと思っていた。急に腹がすいた。
「マジかよ」
 母が死んで、リリが死んで、俺は生きていて、腹がすいて・・・・・・。
『最低だな』
 リリに感謝しながら、果実をひとつもいで、ムシャリ、と齧った。甘酸っぱくて、急に涙がこみあげた。
「リリ、サンキュな」
 振り返ると、飛んでいた華がヒラリと地に落ちた。それから風が吹こうとも、御堂谷せず、もう死んだのか、と静かに思った。

※この小説(ノベル)"赤い華"の著作権は美咲さんに属します。

この小説(ノベル)の評価
評価項目評価数
合計 0
[広告]

この小説(ノベル)のURLとリンクタグ

この小説(ノベル)のURL:
この小説(ノベル)のリンクタグ:

コメントを書く

登録済みのユーザーは ログイン してください。
登録済みでない方は 新規登録 してください。

新規メンバー登録(無料)
第4回みんなのライトノベルコンテスト「しまのわライトノベルコンテスト」
  • 公式サークル みんなの歌詞
  • 公式サークル みんなの詩(ポエム)
  • 公式サークル みんなの小説(ノベル)
  • 公式サークル みんなのイラスト
  • 公式サークル みんなの写真(フォト)

ランキング

※ここでは2018年5月17日のデイリー表示回数ランキングを表示しています。※同順位者が多すぎる場合はすべてを表示しきれない場合があります。

サポートサイト

J@P