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小説(ノベル)

群青色の街 (執筆中)

作:シカシマスター / カテゴリ:ミステリー/推理 / 投稿日:'09年10月8日 15:46
ページ数:1ページ / 表示回数:回 / 総合評価:0 / コメント:0件

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プロローグ〜ある貴婦人が案内した不気味な邸宅の話

「モーツァルトですって?…またたいそうな名前だわ」

そう言って若い貴婦人はコーヒーカップを差し出した。

貴婦人「楽にして頂戴。この家の主もいないようですし」

僕は言われるがままに緑色の布地の小さな椅子に腰かけた。
床がギシィ…と音を立てるのがわかった。
外観からしてもあまり新しい家ではなさそうだったが、
やはりかなり古い家のようだ。

そう思ってあたりを見渡してみると、壁に掛けられた花の絵は傾いているし、
タンスや棚もところどころに傷があり、変色している。

家の主はこの家をほったらかしのようだ。

探偵「モーツァルト、というのはやはり偽名なのですか?」

僕は貴婦人に訪ねた。貴婦人もこの家のものではない。
この家の隣に住む地主の若い奥さんで、わざわざコーヒーを隣の家から
たしなめてくるほどの世話好きだ。
悪く言えばただの暇を持て余す若妻といったところか。

貴婦人「そうみたいね。2ヶ月前にも同じような目的でこの家を訪ねたお客がいましたよ。
そのときはペンドラゴンと言っていましたわ」

2ヶ月前。なるほど、アレンのやつだな、と僕は推測した。
兄弟弟子であり同じ探偵であるアレンは僕と同じようにこの家を嗅ぎつけたらしい。
でも2か月先に越されたというのは少し腹が立つな。

探偵「そのお客さん、というのは何かほかに聞いていかれませんでしたか?」

貴婦人「…他には、何も。あぁ、そうだったわ。部屋を案内してくれと言われて、
私も何もわからないんだけど一緒に部屋を見て回ったわ。
…その時に確か2階の寝室で深く考えごとをしていたように見えたけれど」

探偵「本当ですか?その部屋に案内してくれますか?」

兄弟弟子の同業者の勘を当てにするようなら死んだほうがましだ、
と僕は自分に言い聞かせるも、この家の手がかりをなくしたら
偽名「モーツァルト」の、おかしな旅行家に関する手がかりを
永遠になくすことになってしまう。
それだけは絶対にいけないのだ。


ぎしぎしと音をたてて、若い貴婦人と僕は2階へ上がった。
2階は1階の粗末さとは打って変わって、
掃除も行き届いているみたいだし、棚やタンスも新調されていた。
これは十分におかしい状況であると言えるだろうが、
僕は大した詮索もせずに廊下を通りぬけて、問題の寝室へと入っていった。

貴婦人「ここがその部屋ですわ」

僕は入った瞬間、何か平衡感覚を失うような、一瞬立ちくらみをするような感覚に陥った。
なるほど、これはどんなボンクラの探偵でも深く考えごとをするだろう。

その部屋はそのすべてが絵画だった。
ものは一つもおかれていない。北と東に大きな両開きの窓、カーテンも付いていない。
その壁も天井も扉もドアノブまでもが、全体を深い青を基調とした意味不明の絵画で
塗りたくられていたのだ。
その絵の中には風景も人物も見いだせない。
ただ青から群青への色のグラデーションをすべての面という面に取り込んだ、
完全なる抽象画である。
異様な風景だった。
ただただ、その空間にいることが気持ち悪いと思ってしまうほどに。

探偵「…これは…変わっていますね」

貴婦人「それが、不思議なのですよ。
私は一度、この家の主に会ったことがありますが、
彼は一度も絵を描いたことがないと言ったのです。
それどころか彼は最も芸術という存在を嫌悪していました」

…不可解な点が多すぎる。
そこで即座に考えられた一つの仮説を、僕はまだ口に出せずにいた。

探偵「いつお会いしたのですか?この家の主と」

貴婦人「2年前になりますか。
まぁ、それから劇的に絵が好きになったのなら
話は別ですが」

探偵「…なぜ絵が嫌いだという話になったのですか?
初対面の人と突然芸術の話を?」

貴婦人「……それは、私が趣味で絵画を少々やっていて。
そのころはこの地にやってきたばかりで少しでも
この地の人と仲良くなりたいと思っていた頃でしたから」

そのとき、僕はその若い貴婦人の右の眉がわずかにつりあがる様を見た。

探偵「…そうですか。
もしかしたら、今現在ここに住んでいる人間は2年前あなたがお会いした人とは別人なのかもしれませんね」

※この小説(ノベル)"群青色の街"の著作権はシカシマスターさんに属します。

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