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小説(ノベル)

騎士物語 (完結作品)

作:畔凪篤志 / カテゴリ:ファンタジー / 投稿日:'09年7月24日 19:52
ページ数:4ページ / 表示回数:2151回 / 総合評価:0 / コメント:0件

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騎士物語3:幕間その1

「もうすぐ出口です。姫様」

 護衛の騎士の一人が私に警戒を促すように囁いた。

「ええ」

「本当に王族の禁を破られるおつもりですか?」

 また一人、私に尋ねる。それはもう決めたこと。笑顔でそれを肯定する。

 ホークテイル王族には《人を殺めてはいけない》という奇妙な禁が存在する。厳密には《その手で人を殺めてはいけない》というもので、戦争で兵を間接的に殺めてしまう代わりの戒めだそうだ。

 初代王は戦場で武勲を積んだ人物で、自分が殺めた敵兵や戦争に巻き込んだことにより死なせてしまった者の多さに耐えられず建国後三年で隠遁してしまったそうだ。人を殺めた罪をその身に刻んだとも言われている。そして、次代の王にいくつかの禁を授けたという。

 曰く、戦争を掛け声一つで行える身であるならば、その死んだ者たちの分も生きなければならない。それは清廉の身でしか行うことはかなわない、と。

 曰く、王族は血を流してはならない。数多くの罪を背負って国を守るのが役目である、と。

 そんな王族には戦争に適したちょっとした異能者が含まれることがある。初代からの血のせいだというのが定説だ。それでも王族の禁ゆえに戦場に出ることはかなわず、多くの無念を背負い生涯を全うしたそうだ。

 そんな王族の禁を私は初めて犯す。

 全てはあの人が悪いんだ。私と一緒にいてくれると言ったのに。あの人が一緒にいれば私は禁を破らずに死ぬことができたのだろう。

 今ではそれも叶わない。

「我が槍を。あなたたちは一切手を出さずに」

「御意に。我らは姫様の盾となるだけであります」

「姫、とまだ呼んでくれるのですね」

 深紅の槍を手に取り悲しげに私はほほ笑む。でも、そのほほ笑みは彼らに絶対に見せるわけにはいかない。

「さぁ、行きましょう。私は今できる責務を果たします」

 小さな決意とともに、私は通路の出口へと歩を進めた。

 まぶしい光が私を照らす。
 
 敵がいる。では、あの人の教えを披露しよう。

 小さく息を吐いてから、私は名を名乗った。

※この小説(ノベル)"騎士物語"の著作権は畔凪篤志さんに属します。

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