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小説(ノベル)

わすれられたおもちゃとねこ (完結作品)

作:ミークス・クローバー / カテゴリ:児童文学 / 投稿日:'12年10月23日 16:17
ページ数:12ページ / 表示回数:回 / 総合評価:0 / コメント:0件

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天国のおばあちゃん

階段を上ると一気に白い煙に包まれた。
情報ネコは、言った。
「あまり煙を吸わない方がいい。
 帰れなくなるぞ。幽霊になりたくなきゃ、
 鼻をふさぎなさい」

僕は、急いで鼻を手でふさいだ。
心の中では、ちょっと迷いがあった。
幽霊になるってことは、きっと天国に住めるんだ。
そしたらおばあちゃんとずっと一緒にいられるかもしれない…。
でも、そうしたら、僕は…。

情報ネコの言った「帰れなくなる」と言う言葉が、
脳裏をよぎった。帰れなくなったら、おとうさんにも
ここまで出会った僕を応援してくれたネコさんたちにも、
二度と会えなくなるんだ…。

いや、僕は、帰らないわけにいかない。
おとうさんが待ってるんだもの。

「何をのんびり座りこんでいるんだい。
 もうすぐ着くぞ。ほら、早くおいで」

気が付いたら僕は、座りこんでしまったらしい。
情報ネコは、僕の体を引っ張った。
こんなヨボヨボのおばあさんネコなのに、
自分よりずっと大きな僕の体をひっぱれるなんて…、
力持ちなんだな。きっと色んな意味で。

僕は、頭がすっきりしないまま、天国に着いてしまった。

「もういいよ、息をしても」

情報ネコは、そう言ってウインクした。
僕は、ふさいでいた手をほどくと、
あたりを見回した。

あたり一面、雲で覆われてて
何もかもが真っ白な世界だった。
食べ物まで白くて何を食べているのか、わからないし、
天国の住民らしい人達も真っ白な服を着ていた。

でもみんな満足そうな顔をしている。

何がなんだか、さっぱりわからない。
情報ネコは、言った。
「ここは、欲望のたまり場なんだ。
 みんな本当は何もないのに、
 あの白い服の力(ちから)で、
 自分の欲しいものがあるように見えているんだよ。」

「…じゃあ、あの食べ物や飲み物は、何を口にしてるの?」

「あれは、もと酔っ払いのおやじ。
 酒とビールとつまみにでも、見えてるんだろ」

「……」

僕は、悲しいのか、(彼らが)
幸せなのかよく分からないまま、
おばあちゃんを探し始めた。


奥の方で、白い綿帽子のような物を
白い針で結びつけて微笑むおばあちゃんがいた。
ああ、覚えてる。あの手もあの微笑みも。
僕のおばあちゃんに間違いなかった。

「おばあちゃんだ!。おばあちゃーん!!!」

「こ、こら、あせるな。」

僕にはもう、情報ネコの声など聞こえてなかった。

「おばあちゃん!、ぼくだよ。おばあちゃんが作った
 おもちゃだよ!!おばあちゃんの子供なんだよ。」

僕はおばあちゃんに、飛びついて言った。
おばあちゃんは、キョトンとしている。

「はあ?!……。悪いけど、
 私にまごはいないと思うんだけどねえ。
 おもちゃなんていくつも、作ったし、
 こんな元気な男の子もいたかもしれなけど、
 うーん…、私にはわからないわ…。」

「……!?。……覚えてないの…?。」

「ごめんね」

おばあちゃんは、小さく頭を下げた。
僕はもう怒っていいのか、泣いていいのか
どうすることもできなくなってしまった。

情報ネコがやっと僕に、追いついてきてくれた。

「…だから、あせるなと言ったのに。
 クリフトから聞いてなかったのかい。
 天国の人は、記憶を失ってしまうって」

「…知ってたよ。でもぼくを見れば、
 思いだしてくれると思っていたんだ。」

「そんなに簡単な問題じゃないんだよ。
 でもきみは、おばあちゃんが大好きだったんだね。
 その気持ちは、伝わっていたんじゃないかな」

「…。なんでそんなことが言えるの?…。
 ……だっておばあちゃんは、僕のことなんか…。」

情報ネコは、服のポケットから一枚の手紙を出して
僕に渡した。

「彼女が死ぬ前に書いた、あんた当ての手紙だよ。
 彼女は、きみを忘れるのが恋しくて、手紙を
 渡したと思うがね、私は。」

僕は顔があげられないまま、やっとの思いで、
手紙を情報ネコに渡すと、「読んで」とだけ言えた。

※この小説(ノベル)"わすれられたおもちゃとねこ"の著作権はミークス・クローバーさんに属します。

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