小説(ノベル)
わすれられたおもちゃとねこ (完結作品)
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出発の時
ぼくは、ネコと話したあといつの間にか眠っていた。
そして気がついたら朝になっていた。
玄関をひっかくツメの音がする。
ネコが着たんだ、とぼくは思った。
玄関に行くとやはり玄関の柱を傷つけた跡とネコがいた。
ネコは、ぼくにわかるように昨日と同じおもちゃの言葉で
話してくれた。
「やぁ、おはよう。おもちゃの男の子くん。
さぁ、出発するぞ」
「え?どこか行くの?」
「ハー…ッ、何を寝ぼけているんだい。
昨日、ノラネコのまちに一緒に行こうって言ったじゃないか。
天国のおばあちゃんを探したいんだろ。
まちへ行ってまずは、情報集めをするんだよ。
案内するからついてきな」
ぼくは、そう言って背を向けたネコの背中を追いかけた。
「ねえ、ちょっと早いよ。もっとゆっくり歩いてよ」
「しかたねーな。中の綿を抜いちゃえばいいのに。
おもちゃってのは、綿をいっぱい使うから、足が重いんだろ。
しょうがない。ほれ、背中に乗りな」
そう言うとネコは、立ち止まってぼくを背中に乗せてくれた。
※この小説(ノベル)"わすれられたおもちゃとねこ"の著作権はミークス・クローバーさんに属します。
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